角を交換する先手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 16:05 UTC 版)
△持駒 – ▲持駒 角5手目 ▲3三角成 △持駒 角 ▲持駒 角6手目 △同桂 △持駒 角 ▲持駒 角7手目 ▲2五歩 △持駒 角 ▲持駒 角8手目 △2二飛 先手が▲3三角成と交換、後手は△同桂とする。もし先手が角交換せず他の手を指した場合、それはそれで1局。 角交換のあとは、進行例として図のように▲2五歩に△2二飛と、向かい飛車。以下▲6五角には、△4二銀▲8三角成とわざと成らして、△5五角。これに先手が▲8八銀なら△2五桂~3七桂成などの指し方がある。 △2五桂からの2筋逆襲△2五桂ポンの他に△4五桂▲4八銀△5五角もあり、香取りの△9九角成が受からない。したがって、△2二飛にいったん▲9六歩として、△9四歩ならそこで角交換から6五角とし、以下△4五桂▲4八銀△5五角に▲9七香から▲7八銀を用意する手もある。4八の銀で飛車の横利きが止まっているため受けにくく、香を取られると場合によっては△8二香や△4四馬~△2六香などの筋も残っている。 こうして▲2五歩に△2二飛は鬼殺し向かい飛車に合流する。この向かい飛車については島朗九段の代表著書『島ノート 振り飛車編』(2002年)の第1章鬼殺し向かい飛車でも狙い筋を秘めた指し方が紹介されている。この順は初手▲2六歩の出だしにおいても△3四歩に▲7六歩△3三角の他に、△3四歩▲2五歩△3三角に▲7六歩とする場合においても△2二飛とすることで合流ができる。 ▲2五歩に代えて、手の広い局面であるが、▲6八玉が本筋とみられる。他に▲7八金もあり、これは相居飛車を警戒した手で、△4四角に▲8八銀の受けを用意した手である。相手としては悪形となってありがたい手であるが、ゆっくりした指し方にしたい場合に適している。 角交換後▲4八銀には後手△2四歩や△2二飛などを指そうとしている。△2四歩に▲2三角には△4五角~△3二銀、△2二飛に▲6五角は△5五角。 つまり後手は上のそれぞれの手に対して△2二飛、△2二銀、△3二銀、△4二銀、△3二金、△4四歩、△5四歩、△9四歩、△4二飛等、組み合わせだけでも数十通り以上におよぶ。ただし後手としても△4四歩、△5四歩、△9四歩、△4二飛といった手を選ぶのなら普通は△3三角と上がらず指す事が多い手である。 ▲4八銀△2二飛と進んだ場合、ここで先手は▲6八玉、▲2五歩などが考えられる。プロ棋士の実戦では、ほとんどが以下▲6八玉△4二銀の進行がみられる。 ▲6五角が成立しないので▲3三角成△同桂には▲6八玉がもっともな進行とみられるが、このように進むのならば▲4八銀は慌てて指す必要がなく、そして後手が手損無しに△2二飛と回るのを拒否出来ることになる。また先手としても▲2五歩は△4二銀からお互い玉を囲い合った後で、後手から△2四歩▲同歩△同飛もしくは△同角の仕掛けや△2五桂ポンの仕掛けなどが残るので、わざわざ一手使って反撃目標となる2五まで歩を伸ばす意味は乏しく、一方で後手から△2四歩と伸ばされても、あまり損になることが少ない。 他にも窪田は石田流に組み替える形なども紹介している他、立石流にした場合に△4四飛~3四飛に組まれないよう先手が▲7七角として後手の浮き飛車を阻止する動きには、窪田は△6一金もしくは△3二金を3四にまで繰り出す手で先手を押さえ込む。角交換保留して▲2五歩型に対しては、向かい飛車から△2四歩▲同歩△同飛と振り飛車から強気に迫り、▲同飛と先手が素直に飛車交換に応じるのは△2八飛と下ろした後、△9六歩からの端攻めがある。▲2五歩と飛車交換を避けるのも、△2二飛▲8八銀△6五歩から角交換を挑み、△7七角成を取る駒に応じて△6九角や△3九角で後手十分となる。
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