西松建設強制連行訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 04:36 UTC 版)
「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」の記事における「西松建設強制連行訴訟」の解説
一つ目は中国人の強制連行による損害賠償請求権がこの声明の第5項(戦争賠償の放棄)により放棄されたかという問題である。最高裁判所は2007年4月27日、同声明5項の請求権放棄の条項について少なくとも中華人民共和国政府による国際法上の一方的な「宣言」あるいは日中平和友好条約前文において「……共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し」と規定していること、及び中国政府が国際法上の創設的規定として捉えてきたことに照らして国際法上の法規範性を認めた。 そして、同宣言はサンフランシスコ平和条約の枠組みを否定する趣旨で締結されたものでないことから、個人(法人も含む)の有する請求権を放棄したものと解した。 なお、この声明に基づく請求権の放棄は実体法上の請求権まで消滅させるものではない。従って裁判外に於いて請求することは可能であり、裁判外の和解により受領した賠償金等に対する不当利得返還請求権等が発生したりするものではない。また、請求を求められた側で日中共同声明5項に基づく請求権放棄の抗弁を提出しなければ、その適用を受けることができない。
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