西インド諸島への拡散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 13:35 UTC 版)
「現生人類の拡散」の記事における「西インド諸島への拡散」の解説
カリブ海地域は完新世に入るまで人類未踏の地であった。完新世の初期にはトリニダード島は南アメリカと地続きであったと考えられており、9千年から8千年前程に人類が到達したとされる。その他の西インド諸島の島々においては、人類の最古の痕跡は3千5百年から3千年前の遺跡となっており、バルバドス島、キューバ島、キュラソー島、セント・マーティン島に当時の遺跡が存在する。また、イスパニョーラ島やプエルトリコにもそれより少し後の年代の遺跡が存在する。その後、紀元前800年から紀元前200年ごろにサラドイド文化(英語版)の担い手が現在のベネズエラのオリノコ川下流域からやって来た。彼らは小アンティル諸島を北上していったのではなく、まず大アンティル諸島に移動し、その後小アンティル諸島を南下していったという南下ルート説が主に支持されている。この説は放射炭素年代測定や航海シミュレーションの双方によって裏付けられている。このように2つの時代に分かれて西インド諸島に入った集団がタイノ族やカリナゴ族の祖先である。西インド諸島の大部分の島は紀元前後までに先住民が到達していたが、ジャマイカには紀元600年以前の人類が居住した痕跡が見つかっておらず、ケイマン諸島に至ってはヨーロッパ人が到達するまで無人であるなど後の年代に人が居住するようになった島もある。
※この「西インド諸島への拡散」の解説は、「現生人類の拡散」の解説の一部です。
「西インド諸島への拡散」を含む「現生人類の拡散」の記事については、「現生人類の拡散」の概要を参照ください。
- 西インド諸島への拡散のページへのリンク