複数惑星系との混同
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 14:40 UTC 版)
「エキセントリック・プラネット」の記事における「複数惑星系との混同」の解説
エキセントリック・プラネットとして知られている天体の一部は、実際には真円に近い軌道を持つ複数の惑星かもしれない。エキセントリック・プラネットの大半はドップラー分光法を用いた視線速度の測定に基づいて報告されている。惑星が円軌道のケースでは視線速度の変動パターンは単純なサインカーブになるが、楕円軌道の場合サインカーブから外れるためエキセントリック・プラネットとして認識される。しかしながら、このような歪んだ波形は、複数の惑星が引き起こす視線速度の変動が合成されることでも生じ得る。視線速度のサンプリングが不十分(回数が少ない・公転周期の一部しかカバーできていない等)だと両者は区別できない。この状況では観測結果を再現できる最もシンプルなモデル(オッカムの剃刀)として、複数惑星系ではなく単一のエキセントリック・プラネットという解釈が好まれる。 これらの事情から、当初はエキセントリック・プラネットとして報告されていた惑星が、観測の積み重ねや分析技法の改良に伴い、離心率の低い複数惑星系と判明する事例がある。一例として、2013年に単一のエキセントリック・プラネットを持つとされていた82個の惑星系について再調査した研究では、複数惑星モデルが単一惑星モデルより統計的に見て明らかに良好という惑星系が9つ発見されている。 複数惑星系とエキセントリック・プラネットとが混同される状況は、単一の惑星として解釈した場合の離心率が0.5以下となるような、比較的波形の歪みが小さいケースで起こりやすい。一方で離心率が0.5以上の極端な軌道を持つエキセントリック・プラネットは、複数惑星系と誤認される余地はほとんどないと考えられている。
※この「複数惑星系との混同」の解説は、「エキセントリック・プラネット」の解説の一部です。
「複数惑星系との混同」を含む「エキセントリック・プラネット」の記事については、「エキセントリック・プラネット」の概要を参照ください。
- 複数惑星系との混同のページへのリンク