製鉄所と公害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:26 UTC 版)
高度経済成長期に発生した大気汚染による公害病は、国や企業の責任が問われて公害訴訟が提訴され、いくつかの訴訟では製鉄所を抱える鉄鋼メーカーが被告となった。製鉄所での工程には燃焼現象が欠かせない上にその規模が大きいため、製鉄所が大気汚染物質の大きな発生源になっているのは事実である。 また地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素も、鉄鋼業はその性質上大量に発生させている。原料ヤードにある鉄鉱石や石炭などによる粉塵被害も、家屋や洗濯物などを汚すだけでなく、健康上においても気管支炎や粉塵による塵肺の懸念材料であり、近隣住民にとっては大きな問題である。再利用できないレベルに上る廃熱もかなりの量になり、製鉄所周辺の海水温が上昇して、局地的に生命層が変化していることも多い。 こうした公害問題に対処するため、鉄鋼メーカーはその時々の最高水準の公害防止設備を導入してきた。日本の製鉄所の環境対策は現在[いつ?]世界トップレベルであり、二酸化炭素の発生に関しては、製品重量当たりではアルミニウムやチタンなどより一桁小さいレベルである。
※この「製鉄所と公害」の解説は、「製鉄所」の解説の一部です。
「製鉄所と公害」を含む「製鉄所」の記事については、「製鉄所」の概要を参照ください。
- 製鉄所と公害のページへのリンク