補修方法の検討
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 03:23 UTC 版)
メインケーブルの腐食劣化による落橋の可能性があると判明した三好橋は、補修されることとなった。その方法として、吊り橋であった三好橋を補修して、再び吊り橋とすることも検討はされた。しかしながら、既存のアンカレイジが再利用できないタイプであった上に、地形的な制約から新たなアンカレイジを設置可能な場所も確保が難しかった。吊り橋にとってアンカレイジという物は、主塔と共にメインケーブルを支えている重要な部分であり、常にメインケーブルをアンカレイジで引っ張っているからこそ吊り橋は健全でいられるのである。大規模な吊り橋は基本的に、まずアンカレイジと主塔を作ってから先にメインケーブルを張り、それから橋桁の部分を作るという手順で作る。アンカレイジを新設したいからと言って、既存のアンカレイジを取り壊して、そこに新しく作るというわけにはゆかない。このように、アンカレイジの再利用も新設も難しいとなれば吊り橋のままの形で補修するのは難しく、事実、三好橋を吊り橋のままで補修することは現実的ではないと判断された。三好橋の場合は橋桁の部分などは未だ概ね健全であり、架け替えるよりも、橋桁などは再利用した方が少ない予算で済むと判断された。そこで橋の構造を吊り橋から上路式アーチ橋に変える方法が考案された。吊り橋をアーチ橋に変える場合は新たにアーチを作らねばならず、その設置には河川管理者との協議も必要だったものの、そのような問題を差し引いてもアーチ橋へと形式を変更することが、三好橋の場合は現実的な延命の方法だと判断された。
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