行為項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 13:45 UTC 版)
「ウラジーミル・プロップ」も参照 ソ連の昔話研究家ウラジーミル・プロップはロシアの民話を整理し、登場人物たちを「敵対者」「贈与者」「助手」「王女とその父」「派遣者」「主人公」「ニセ主人公」の7種の行動領域に分類した。アルジルダス・ジュリアン・グレマスは「主体」「対象」「恵与者」「受益者」「補助者」「敵対者」の6種の行為項に分類した。これらの構造主義的物語論においては、主人公は他の登場人物たちとの関係、ないし物語上の機能として定義される。プロップの定義では主人公とはつまり、派遣者によって送り出され、贈与者の試練を経て魔法的な力を手にし、助手の助けを得ながら敵対者との対決に勝利するが、手柄を主張するニセ主人公と対立し、しかし最終的にはそれを退けることで王女とその父によって認知され、王女と結ばれる者である。 こうした構造は古典的な民話のみならず、物語を作り出す技法として広く応用されており、細部の違いはあっても古今東西の小説や映画などにも見られるものである。更にフィクションだけに留まらず、現実における国威発揚やアジテーションにも応用され、現実の社会情勢を物語の構造に当てはめることで国民全体あるいは指導者自身を物語の主人公であるかのように演出し、民衆の支持を集めるための手段にも用いられている。
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