蟻に基づく経路制御
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:06 UTC 版)
通信ネットワークへの群知能の適用も研究されており、Ant Based Routing(蟻に基づく経路制御)と呼ばれている。1990年代中ごろ、Dorigoらとヒューレット・パッカードの研究者らがそれぞれ独自に研究を行い、その後様々な派生が生まれた。確率的ルーティングテーブルを使い、無数の「蟻」(小さい制御パケット)を放って、それらが正しく到達するとそのルーティングテーブルを補強する。順方向、逆方向、あるいは両方向の経路増強について研究がなされている。逆方向増強には対称なネットワークが必要で、2つの方向を結合する。順方向増強は結果が判明する前に行われる(映画を見る前に料金を払って映画を見るのに似ている)。システムは確率論的に動作するので、再現性はなく、商用化には大きなハードルがある。 航空会社は、空港に着陸後の航空機の動きのシミュレーションに「蟻に基づく経路制御」を用いてきた。サウスウエスト航空は群知能に基づくソフトウェアを使っている。各パイロットは最善のゲートを探している蟻のように振る舞う。ダグラス・A・ローソンは「パイロットは経験から何が最善かということを学んでおり、それが航空会社にとっても最善の解であることが判明している」と説明している。
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