蛇童子
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『ホラーウーピー』1998年8月号掲載。 江戸川乱歩生誕100年ということで、導入部を乱歩風にしているが、聞き手の男は金田一耕助に似てしまったと、文庫版『カマキリ女』で千之は語っている。 あらすじ 一人の女性が布に包まれたものを持って電車に乗っていた。 向かいに座った男が事情を聴くと、女は包まれたものの中身について語りだした。 女は、かつてある金持ち一家に、借金のかたとしてメイドだった。その家の者たちははメイドたちをいじめるだけでなく、退屈しのぎに会社をつぶしたり、銀行を裏から手を回して倒産させたり、嫌な相手の故郷に大きなダムを作ったりと悪徳の限りをつくしていた。 あるとき、女が紅茶を運んでいると、「蛇童子のおかげで、かつてしがない古物商だったこの家は繁盛した。」という会話を聞く。皆が紅茶を飲み終わってその場を去った後、女が金庫を開けて蛇童子を少し見た際、うっかり落としてしまうが、ケースは無傷なのに蛇童子だけがいなくなっていた。 その夜「蛇童子が外へ出たら今までの悪行の付けが自分たちに回ってくる」と大騒ぎになり、女を調べにきたその家の息子である潤之介は女を犯そうとしたが、蛇童子に突き落とされたのを皮切りに、その一家の人間は、蛇童子によって皆殺しにされた。 一通り話し終えた女は、男に中身を見せようとするが、容器が空だった。作り話だと笑う男の背後で何者かの目が光るところで、物語は終わる。
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