虫の集まる木
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 01:35 UTC 版)
クヌギは幹の一部から樹液がしみ出ていることがある。クヌギの樹液は、カブトムシやクワガタなどの甲虫類やチョウ、オオスズメバチなどの好物で、これら昆虫が樹液を求めて集まる。樹液は以前はシロスジカミキリが産卵のために傷つけた所から沁み出すことが多いとされ、現在もほとんどの一般向け書籍でそう書かれていることが多いが、近年の研究で主としてボクトウガの幼虫が材に穿孔した孔の出入り口周辺を常に加工し続けることで永続的に樹液を滲出させ、集まるアブやガのような軟弱な昆虫、ダニなどを捕食していることが明らかになった。 ウラナミアカシジミという蝶の幼虫はクヌギの若葉を食べて成長する。またクヌギは、ヤママユガ、クスサン、オオミズアオのような、ヤママユガ科の幼虫の食樹の一つである。そのため昆虫採集家は採集する種にもよるがこの木を見ると立ち止まって幹、枝、葉、さらには根元まで一通り確認して昆虫を探すことが多い。また、オオクワガタなどクヌギを主な活動拠点とする昆虫を探すために、それらの名産地においてマニアが何時間もクヌギを見張っている光景が見られることも珍しくない。
※この「虫の集まる木」の解説は、「クヌギ」の解説の一部です。
「虫の集まる木」を含む「クヌギ」の記事については、「クヌギ」の概要を参照ください。
- 虫の集まる木のページへのリンク