藤重佳久とは? わかりやすく解説

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藤重佳久

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/22 02:06 UTC 版)

藤重 佳久(ふじしげ よしひさ、1954年[1] - )は、日本吹奏楽指導者

島根県浜田市音楽定住コーディネーター[2]、石見音楽文化振興会吹奏楽研究推進室室長[3]島根県立大学客員教授[4]長崎県大村市音楽指導官[5]。京都両洋高校吹奏楽部[1] 音楽監督[2]

精華女子高等学校活水中学校・高等学校の吹奏楽指導者を歴任。全日本吹奏楽コンクールに21回出場し、金賞を10回受賞。全日本マーチングコンテストには20回出場し、金賞を19回受賞するなど[5]、日本国内でトップレベルの吹奏楽指導者である[6]。これらの実績から、特に九州地方において「吹奏楽のカリスマ」との異名をとる[7]。2015年度に就任した活水高校吹奏楽部では就任7ヶ月後に創部初の全日本吹奏楽コンクール出場、2023年度に就任した京都両洋高校吹奏楽部では就任1年7ヶ月後に創部初の全日本マーチングコンテスト出場を果たしている。

略歴

福岡県久留米市出身。中学生のときに吹奏楽を始める。福岡大学附属大濠高等学校に進み、1年生のとき全日本吹奏楽コンクールにホルンで出場[8]

その後、武蔵野音楽大学音楽学部器楽科に進学。在学中に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の一員となり、ホルン奏者となった[9][8]1976年、武蔵野音楽大学を卒業[1]

1980年、精華女子高等学校に教諭として着任。自身の高校時代の指導者からの誘いを受けてのものだった。創部2年目の吹奏楽部顧問を務める[8]1988年、マーチングの方法論に触れる。この方法論はアメリカで高校生を対象に発展したもので、「わかりやすく楽しく、目標を共有する」内容に共鳴し、指導に取り入れていった[8]

1990年、顧問を務める精華女子高等学校吹奏楽部が、全日本吹奏楽コンクールに初出場[1]

2015年、精華女子高等学校を定年退職し[10]活水学院に着任。[6]活水女子大学音楽学部特任教授、活水学院吹奏楽団総監督を務める傍ら、[11]活水中学校・高等学校の吹奏楽部の指導者に就任する。

指導者となって7ヶ月後、同校吹奏楽部が全日本吹奏楽コンクール全国大会に出場。2019年には、長崎県勢として初めてとなる、全日本吹奏楽コンクールと全日本マーチングコンテストのダブル出場を果たした[12]

2021年、活水学院を退職。石見音楽文化振興会からの招きに応じ、島根県浜田市に移住。同市の地域おこし協力隊隊員に着任する。島根県立浜田高等学校や浜田市内の中学校で吹奏楽の指導を始める[7][13]

2023年、活動拠点を京都府に移し、京都両洋高等学校吹奏楽部音楽監督(ミュージックマイスター)に就任。[14]2025年8月現在も同高音楽監督・主顧問として活動中。

人物

藤重が高校生のとき、全日本吹奏楽コンクールに出場したことをきっかけに、音楽の道へとのめり込むようになった[8]

精華女子高等学校の吹奏楽部が全日本吹奏楽コンクール全国大会に初出場を果たした翌年は、地区大会で敗退している。このことについて、「図に乗っていた。去年全国大会に出場していたから、なめてかかっていた」と話している。また、指導者は常に謙虚でなくてはならないと感じていると、後年の対談で明かしている[1]

独自の指導法は「藤重流」と呼ばれることもあり、指導する吹奏楽部の奏でる明快なサウンドには定評がある[15]

活水中学校・高等学校での指導時は、練習場の入口に立って生徒たちを迎えていた。この際の声掛けは挨拶だけでなく、生徒たちの書く日誌をもとにした「一言二言のコミュニケーション」を大切にしていた[10]。また、「演奏はストーリーや背景がわかったほうがいい」という考えのもと、表現力をつけるために通常の吹奏楽部では行わないミュージカルの練習を行うこともあった[16]

メディア出演

テレビ

ラジオ

新聞連載

  • 「がっつりブラス」(2021年6月19日[29]-2022年12月24日[30]、山陰中央新報)

著書

受賞歴

  • 平成11年度 マーチングショーバンド世界大会(オーストラリア) - 総合優勝
  • 平成18年度 マーチングショーバンド世界大会(韓国) - 総合1位[31]
  • 長年出場指揮者表彰(全日本吹奏楽連盟)
  • 平成21年度文部科学大臣優秀教員表彰 など[5]

脚注

  1. ^ a b c d 圧倒的な結果を残す組織の共通項 無名の吹奏楽部を全国に導いた藤重監督に学ぶ致知出版社、2023年5月26日閲覧
  2. ^ 第38回特別講演会を開催します島根県立大学、2023年5月26日閲覧
  3. ^ About一般社団法人石見音楽文化振興会、2023年5月26日閲覧
  4. ^ 第38回特別講演会島根県立大学、2023年5月30日閲覧
  5. ^ a b c 令和3年度第1回総合教育会議資料大村市、2023年5月26日閲覧
  6. ^ a b 活水中・高、音楽監督の藤重佳久氏 退職後は大村へ 5中学校の吹奏楽部指導長崎新聞、2021年3月10日、2023年5月26日閲覧
  7. ^ a b 浜田を吹奏楽王国に 金賞10回のカリスマ指導者 藤重さん移住 活動開始「楽しさ、喜び伝えたい」山陰中央新報デジタル、2021年4月15日、2023年5月26日閲覧
  8. ^ a b c d e よく褒め叱り演奏指導 精華女子高校吹奏楽顧問・藤重佳久さん朝日新聞デジタル、2011年11月28日、2023年5月26日閲覧
  9. ^ プロフィール|世界一受けたい授業日本テレビ、2023年5月26日閲覧
  10. ^ a b 長崎のある女子校の奇跡 無名の吹奏楽部を全国に導くNIKKEI STYLE、2016年9月16日、2023年5月26日閲覧
  11. ^ 活水学院ニュース2021年6月22日時点のアーカイブ。2023年5月26日閲覧
  12. ^ 「自主性求め 全国で結果」活水学院3月末で退職 中高吹奏楽部指導 藤重佳久さん 新天地・大村を音楽の街に長崎新聞、2021年3月24日。2023年5月26日閲覧
  13. ^ 市内で活動する地域おこし協力隊浜田市、2023年5月26日閲覧
  14. ^ 音楽監督に藤重佳久先生をお迎えしました京都両洋高等学校、2023年5月27日閲覧
  15. ^ 【動画あり】明快サウンド 鍵はリズム感 浜田で「藤重流」吹奏楽指導 記者も挑戦 奥深い世界山陰中央新報、2021年11月16日。2023年5月26日閲覧
  16. ^ a b 授業復習日本テレビ、2023年5月26日閲覧。
  17. ^ 2012年4月11日オリジナルの2018年9月28日時点のアーカイブ。日本テレビ、2023年5月27日閲覧
  18. ^ 2012年5月16日オリジナルの2018年9月28日時点のアーカイブ。日本テレビ、2023年5月27日閲覧
  19. ^ 次回の笑コラは…2012年6月20日オリジナルの2018年9月28日時点のアーカイブ。日本テレビ、2023年5月27日閲覧
  20. ^ 次回の笑コラは…2012年8月29日オリジナルの2018年9月28日時点のアーカイブ。日本テレビ、2023年5月27日閲覧
  21. ^ 次回の笑コラは…2012年9月19日オリジナルの2018年9月28日時点のアーカイブ。日本テレビ、2023年5月27日閲覧
  22. ^ 次回の笑コラは…2012年12月5日オリジナルの2018年9月28日時点のアーカイブ。日本テレビ、2023年5月27日閲覧
  23. ^ さくら色のファンファーレ ~活水吹奏楽部の未来を変えた12分~オリジナルの2016年3月26日時点のアーカイブ。テレビ長崎、2023年5月27日閲覧
  24. ^ 藤重佳久(2018年3月26日放送)NHK、2023年5月26日閲覧
  25. ^ 番組案内オリジナルの2019年3月30日時点のアーカイブ。長崎国際テレビ、2023年5月27日閲覧
  26. ^ 生徒を信じて自立を促すinterFM、2023年5月27日閲覧
  27. ^ 2024年1月9日~3月19日は火曜日20:30-21:00、2024年4月2日~9月24日は原則火曜日21:00-21:30(ただし、「文化放送ライオンズナイター」が延長した場合は最大30分遅れで放送)
  28. ^ 2024年10月1日~は『オトナのホンネ』内内包番組として放送中。
  29. ^ がっつりブラス・藤重佳久の音楽談義(1) 努力の先に感動の音色 コンクール結果も左右山陰中央新報デジタル、2023年5月27日閲覧
  30. ^ がっつりブラス!◇38◆ 仲間と打ち込む吹奏楽 育んだ人間関係は財産山陰中央新報デジタル、2023年5月27日閲覧
  31. ^ 吹奏楽部の主な活躍精華女子高等学校、2023年5月30日閲覧

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