蓄尿障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 07:45 UTC 版)
頻尿は多尿によっても起こるためまずは多尿の有無を評価する。排尿チャートをつけ、1日尿量が2 lを超える場合は多尿と考える。多尿があっても下部尿路の機能障害を合併することも少なくないため排尿機能検査が必要となる。蓄尿障害では膀胱内圧測定を行う。 正常 蓄尿時に膀胱内圧が一定に保たれる。 排尿筋過活動 急激に内圧が上昇する。排尿筋の不随意の収縮によるもので膀胱を支配する副交感神経の中枢性の障害を示唆する。高齢者に多く潜在性の脳血管障害が原因と考えられている。神経診断学の深部腱反射の亢進と原理は同じと考えられている。 低コンプライアンス膀胱 蓄尿時に徐々に内圧が上昇していく。馬尾疾患や仙髄病変でみられ、膀胱を支配する副交感神経の節前線維の病変で認められる。 アトニー膀胱 正常の範囲を超えて蓄尿でき、その間内圧が低下したままの状態。膀胱を支配する副交感神経の節後線維の障害と考えられており、糖尿病性ニューロパチーなど末梢神経障害との合併が多い。
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蓄尿障害
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蓄尿障害には膀胱を広げる薬と排出路を閉める薬が有効である。膀胱を広げる薬は抗コリン作用のあるもので塩酸プロピベリン(バップフォー®)、塩酸オキシプチニン(ポラキス®)、塩酸フラボキサート(ブラダロン®)、三環系抗うつ薬であるイミプラミン(トフラニール®)などが用いられる。排出路を閉めるにはβ2刺激薬である塩酸クレンブテール(スピロペント®)、エストロゲン(プレマリン®)、三環系抗うつ薬であるイミプラミン(トフラニール®)などが用いられる。 塩酸プロピベリン(バップフォー®) 抗ムスカリン作用とカルシウム拮抗作用を併せ持つ。20mg/dayで1~2回に分けて内服することが多い。 ソリファナシン(ベシケア®) ムスカリン受容体M3に対して選択性が高い。5mg/dayから開始し10mg/dayまで増量することができる。 塩酸フラボキサート(ブラダロン®) 抗ムスカリン作用はなく、Ca拮抗作用で蓄尿障害の改善が期待できる。副作用が出にくい。
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