菌種による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/02 05:28 UTC 版)
菌種としてはコウジカビ属(Aspergillus)に属する菌種が用いられる。ニホンコウジカビ(A. oryzae)が最も多く使われている菌種である。その他、ショウユコウジカビ(A. sojae)、タマリコウジカビ(A. tamari)、カワチコウジカビ(A. kawachii)、アワモリコウジカビ(A. awamori)、サイトウコウジカビ(A. saitoi)などの種が目的に応じ使用される。 黄麹菌 麹の胞子着生が進むと黄色がかった緑色の胞子を形成することから黄麹と呼ばれる。上記品種による分類の中では、ニホンコウジカビ、ショウユコウジカビ、タマリコウジカビが該当する。味噌、醤油、清酒の製造に用いられ、近年では焼酎に使用するメーカーもある。なお、通常の醸造食品の製造工程で麹として用いられる段階では、麹の外見は白色であり、黄色ないし緑色がはっきり確認するまで胞子の着生を進めることは稀である。また、アルビノ固体として、白菌と呼ばれるものがあり、麹を特に白く仕上げたい場合に用いられるが、それは後述する白麹菌とは異なり、黄麹菌に属するニホンコウジカビである。 白麹菌 黒麹菌の白色固体が河内源一郎によって分離されたものを由来とする。胞子着生が進むと茶褐色を呈する。上記品種による分類ではカワチコウジカビが該当し、主として焼酎の生産に用いられる。 黒麹菌 従来、沖縄で泡盛の製造に用いられてきた菌種で、近年では焼酎だけでなく、その機能性から様々な食品にも使用されている。その名の通り黒褐色の胞子を形成する。クエン酸を生成することが特徴であり、温暖な地域において仕込み時の雑菌汚染防止に役立っている。但し、現在流通している黒麹焼酎に使われている黒麹菌は泡盛用の黒麹菌とは、別品種である。
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