英雄像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 11:35 UTC 版)
「アントニオ・カノーヴァ」の記事における「英雄像」の解説
『ペルセウスとメドゥーサの首』は、カノーヴァがドイツから戻ってすぐに作られたものである(1797年 - 1801年)。ペルセウスが壮絶な戦いの末、蛇の髪の毛を持つメドゥーサの首を掴んだその瞬間が表現されていて、右手に掴んでいる剣は、別個に作られたものである。現在、この作品はバチカン美術館にある。 1802年、ナポレオン・ボナパルトの個人的依頼で、カノーヴァはパリに出向いた。ナポレオンの上半身のモデルを作るためだったが、そこでカノーヴァは寛大なもてなしを受け、さまざまな栄誉も授かった。この巨大な彫像の完成には6年かかった(『ナポレオン』1808年)。ナポレオンが失脚した後は、この像はルイ18世からイギリス政府に、さらに初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリーの手に渡った(写真は別のナポレオン像)。 他には、『パラメデス』、『Creugas and Damoxenus』、『テセウスとケンタウロスの戦い』、『ヘラクレスとリカス』、『ヘクトルとエイジャックス』、アメリカ大統領ジョージ・ワシントンの彫像(ノースカロライナ州の委嘱でノースカロライナ州議会議事堂に展示してある)、フェルナンド7世の彫像などがある。『ヘラクレスとリカス』はカノーヴァの心の中にある、もっとも残酷な部分を表現したものだと言われている。確かに、その特異なスタイルは他の追随を許さない。
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