若年者への適用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 06:39 UTC 版)
若年者に対しては、大多数の国が減額を適用していないが、一部の国では企業の負担が軽減されることにより労働需要が生まれるとして、減額制度を適用している。 適用に際して、どの程度減額するか、何歳までを最低賃金の適用除外とするかは、国によって異なる。一般的には「18歳または17歳以下の労働者に5%から15%の間の率を減じた率を適用している」より引用(以下本文において若年者に対する減額率は、成人の最低賃金に対するもの)。 オランダ21歳以上は最低賃金を適用。21歳未満は最低賃金が減額される。減額率は、下表のとおりである。かつては最低賃金の適用年齢が最も高い23歳以上であったが、2018年1月から22歳以上となった。2019年7月以降は21歳以上である。また、変更に伴い、減額率の変更もあった。 オランダにおける年齢ごとの最低賃金減額率(%)年齢20歳19歳18歳17歳16歳15歳減額率(%)20.0 40.0 50.0 60.5 65.5 70.0 若年者最低賃金を設定している考え方としては、オランダを例に以下のものがあげられる。 生産性:21歳未満の労働者の生産性は、一般より低い最低賃金を設定できるという考え方。 必要性:若年者は、通常家族と同居することが前提である為、自ら労働をして、賃金を得るという必然性が低い。そのため、所得保障として一般の最低賃金を保証する必要はないという考え方。 就学との関係:若年者は、あくまで就学することが前提であり、一般と同じ最低賃金にすると、学業を怠けるなど悪影響を与えること。 なお、オランダでは2004年5月に制定された法律により年齢差別を禁止してるが、若年者最低賃金に関しては例外として維持している。また、13歳及び14歳の労働について労働時間法(Arbeidstijdenwet - ATW)の規定により、学校の無い日に工業系の仕事でない軽微な仕事が認められている。ただし、学業を専念すべき年齢であるとの考えの基、最低賃金は適用外である。 また、一部の業種では、若年者最低賃金が適用されない、または、減額率が小さくなってしまう年齢になると解雇をしてしまう問題があり、中央労働団体(FNV)は、若年者最低賃金の撤廃と一般最低賃金を18歳から適用することを求めている。その要求に応える形で、一般最低賃金の適用年齢は23歳以上から21歳以上へと引き下げられている。また、オランダの隣国であるベルギー、ルクセンブルクの若年者への一般最低賃金の減額適用に対し、オランダの減額率は大きい。
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