【航空優勢】(こうくうゆうせい)
air superiority
味方の航空機が大規模な攻撃を受ける事が無く、かつ敵性航空機の活動が大きく制限された状態。
陸軍の立場から見た場合、近接航空支援を受ける事が可能な状態をさす。
かつては海軍における「制海権」に対応して「制空権」と呼ばれていた時代もある。
基本的には攻勢対航空作戦による飛行場への空爆によって確保される。
成立後は定期的な戦闘空中哨戒任務、およびSAM・AAAなどの配備によって維持される。
航空機は極めて高速で、かつ(燃料消費や乗員の体力消耗などの要因から)継続稼働時間に限界があるため、航空優勢を失った状態でも一時的な突破は可能である。
そのため、特定の空域に対する絶対的な支配は非常に難しく、優勢を確保するのが精一杯である。
実質的に空を制圧しているわけではないため「制空権」ではなく「航空優勢」と呼ぶ事が望ましい。
空爆が重要な攻撃手段となった現代戦において、勝つためには航空優勢の確保がほぼ必須である。
ただし、航空優勢を確保しながら陸戦での戦術的失敗によって敗北した例もわずかながら存在する。
関連:航空主兵主義
制空権
(航空優勢 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 23:57 UTC 版)
制空権(せいくうけん、英語: control of the air および、その段階である air supremacy および air superiority)とは、航空戦において味方の航空戦力が空において敵の航空戦力を撃破または抑制して優勢であり、所望の空域を統制または支配し、敵から大きな妨害を受けることなく、陸・海・空の諸作戦を実施できる状態およびその力である[1]。
- ^ 防衛学会『国防用語辞典』朝雲新聞社171頁、真邉正行『防衛用語辞典』国書刊行会121頁
- ^ a b 防衛学会『国防用語辞典』朝雲新聞社104頁
- ^ 戦史叢書102陸海軍年表 付・兵器・兵語の解説358頁
- ^ 『Winged Defense』(空軍による防衛 ウィリアム・ミッチェル(Dover Pubilications,Inc.Mineola, New York,1988),p.222
- ^ 第63回国会衆議院会議録第十三号「防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の趣旨説明に対する大出俊君の質疑」(昭和45年3月26日)379頁
- ^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで57-59頁
- ^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで59、233、553頁
- ^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで373頁
- ^ 戦史叢書72中国方面海軍作戦(1)昭和十三年四月まで 405-407頁、源田実『海軍航空隊始末記 発進篇』文藝春秋新社206-215頁
- ^ 戦史叢書95海軍航空概史124頁
- ^ “「信じられないくらい未熟でお粗末」元自衛隊幹部が読み解くロシア軍の"決定的な弱点"”. プレジデント (2022年6月8日). 2022年6月27日閲覧。
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