自然数冪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 14:07 UTC 版)
各自然数 n に対して ℝ 上の函数 f n ( x ) := x n = x × ⋯ × x ⏟ n {\displaystyle f_{n}(x):=x^{n}=\underbrace {x\times \cdots \times x} _{n}} が定義できる。この函数は、 n が偶数のとき偶函数、すなわち任意の実数 x に対して f(–x) = f(x) であり、対応する函数のグラフは y-軸に関して線対称になる。 n が奇数のとき奇函数、すなわち任意の実数 x に対して f(–x) = –f(x) であり、対応するグラフは原点に関して点対称である。 小さい n に対する冪函数を具体的に書けば: n = 1 のとき、恒等変換 f1(x) = x . これはもっとも単純な一次函数であり、線型変換にもなる。 n = 2 のとき、平方函数 f2(x) = x2. これはもっとも単純な二次函数であり、グラフが放物線となる唯一の冪函数である. n = 3 のとき、f3(x) = x3 はもっとも単純な三次函数である. n = 0 の場合もふつうはこの仲間に入る。これは規約により、対応 x ↦ x0 というよりは、定数函数 f0(x) ≡ 1 として定義される。 これらの函数はすべて、x = 1 における値が 1 に等しい。また特に、m < n のとき x n < x m ( 0 < x < 1 ) , {\displaystyle x^{n}<x^{m}\quad (0<x<1),} x n> x m ( 1 < x ) {\displaystyle x^{n}>x^{m}\quad (1<x)} が成り立つ。 自然数冪の場合には、定数函数 1 となる n = 0 の場合を除けば、任意の冪函数は正の実軸上で狭義単調に、x = 0 のときの値 0 から x → +∞ のときの極限 +∞ まで増大する。対照的に負の実軸上では区別が生じ、n が零でない偶数のとき狭義単調減少であり、n が奇数のとき狭義単調増大になる(特に n ≠ 1 ならば原点に変曲点を持つ)。 自然数冪函数は多項式函数の構成に利用できる。また、自然数冪函数の全体は、別の函数を冪級数に展開する際の基底を与える。
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