自動捜索プロジェクトの登場以降
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:01 UTC 版)
「コメットハンター」の記事における「自動捜索プロジェクトの登場以降」の解説
1990年代後半になると、このような状況に劇的な変化が生じた。LINEARやNEATなどといった地球近傍小惑星の強力な自動捜索プロジェクトが相次いで始動し、冷却CCDカメラによって18等や20等などといった極めて暗い彗星が根こそぎ発見されるようになったのである。北半球で太陽から比較的離れた区域の空は自動捜索プロジェクトによってほとんどの彗星が発見されるようになり、アマチュア天文家などが彗星を眼視発見することは非常に困難になった。また、1996年には太陽観測衛星SOHOが観測を始め、その副産物として、クロイツ群に属する彗星が極めて多数発見されるようになった。これらはそのほとんどが、太陽に非常に接近し消滅していく小彗星である。これらの理由が重なり、彗星の発見数は激増した。彗星の年間発見数は1990年代に入ってようやく20個を超えるようになった程度であったが、2004年の年間発見数は217個に達した。そのうちSOHO彗星が169個、自動捜索プロジェクトや天文台などの名前が付いているのが32個、人名が付いているのが11個、人工衛星の名前が付いているのが2個、周期彗星の回帰と分かったのが1個、自動捜索プロジェクトと人名の両方がついているのが1個、未定が1個である。このように、SOHO彗星を除いても人名が付いている彗星は4分の1程度という状況であり、彗星捜索を諦めたコメットハンターもかなり出てきている。しかし、今なお昔と変わらない方法で彗星を発見しているコメットハンターもいる。 このような状況で、インターネット上で彗星捜索をするという、全く新しい方法も現れている。SOHO衛星の撮影した最新の太陽画像はインターネット上に公開されており、その中でもLASCO C2、C3というカメラの画像には太陽の周辺が写されていることから、全くの一般人でも、この画像をチェックしていれば新彗星を発見できるチャンスがある。実際、この画像から既に十数個もの彗星を発見した「コメットハンター」もいる。また、SOHOには他にも、ほぼ全天を撮影しているSWANという観測機器もあり、この画像からも、既に複数のアマチュア天文家が彗星を発見している。このように、彗星の捜索方法は大きく変化している。
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