臨床スピリチュアルケアを行う人、専門職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/28 00:46 UTC 版)
「スピリチュアルケア」の記事における「臨床スピリチュアルケアを行う人、専門職」の解説
概説で説明したように、「なぜ生きているのか」「何のために生きているのか」「毎日繰り返される体験の意味は何か」「自分はなぜ病気なのか」「自分はなぜ死ななければならないのか」「死んだあとはどうなるのか」「人間として生まれ、人間として生きているということはどういうことなのか」などの問いは、人間誰しも抱えているが、しかし人々は必ずしも常日ごろからそのような問いについて十分な時間をかけて探究しているわけではない。 こういった問いかけと探究は相当に奥深いものがあり、生半可な知識では対応できるものではない。医療関係者であれば誰でも「スピリチュアルケア」ができるのではないか、などと思ってしまう人もいるかも知れないが、実際にはそうではない。ウァルデマール・キッペスはスピリチュアルケアを行うためには、全人的な基盤、すなわち哲学的および宗教的基盤の上に立ったしっかりとした教育を受ける必要がある、と述べている。また、飯田史彦も、「スピリチュアル・ケアを行うためには、ケアを行う本人が、しっかりとした宇宙観・人間観・人生観を持ち、それによって「救われて」いなければならない」と述べている。自分自身が、宇宙観・人間観・人生観をしっかりと学んで理解していなかったり、それら宇宙観・人間観・人生観によって自分自身が救われていなかったり(十分理解していなかったり)、救われないようなそれを抱いているようでは、とても他人を救う(しっかりと説明し、理解してもらい、救われてもらう)ことなどできるはずがないのである。 上記のような理由から、また同時にスピリチュアルケアというのは身体的ケア・精神的ケア・心理的ケアにまさっているともされる人間の究極的なケアでもあるので、それを行うためには、そのための十分な教育と訓練が必要だとされている。欧米の病院におけるスピリチュアルケアは、「臨床パストラルケア、英語で「PASTORAL CARE 牧者のケア」、ドイツ語では「SEELSORGE 魂の配慮」などとも呼ばれており、その担当者は、大学で臨床パストラルケア専門教育課程や神学過程で4〜8年ほど学び卒業し、チャプレンの資格や認定を得た人が行っており、スピリチュアルケアというのは専門職であるとされている。
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