脊椎動物における松果体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 19:05 UTC 版)
脊椎動物の中には、松果体細胞が目の光受容器細胞に似ている動物がある。松果体細胞は進化において網膜の細胞と起源を同じくすると考える進化生物学者もいる。 脊椎動物には、光にさらされると松果体で酵素、ホルモン、ニューロン受容体に連鎖反応が起きるものがあり、この反応が概日リズムの規則化を起こしていると考えられる。 ヒトなどの哺乳類では、概日リズムの機能は網膜視床下部によって行われ、視床下部視交叉上核の中にリズムが伝えられる。人工的な光にさらされると、視交叉上核の時計に影響が起こる。哺乳類の皮膚で合成されるオプシン関連の受光機能については、現在論争中である。松果体が磁力感知の機能を持っている動物がいるとする研究もある。 鳥類の1種ニワトリの松果体には、ヒトの網膜などで見られる光の感知に関与するロドプシンに似た、ピノプシンと言うオプシンの1種が見つかっている。また、スズメの頭骨は薄いため、スズメの松果体には太陽光が直接届いており、スズメの概日リズムに関与していることが知られている。 この他、現在のヤツメウナギやムカシトカゲなどに見られるように、脊椎動物(または脊索動物)には松果体の近くに頭孔を持つものがいる。
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