脊梁山脈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 07:24 UTC 版)
脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)は、大陸や島、あるいは、半島や島弧など、ある程度の規模をもった地域において、その背骨に当たるような位置を占め、分水界となっている山脈[1][2][3][4]。明瞭な山脈としての特徴が希薄な場合などには、脊梁山地(せきりょうさんち)とも称され[5]、単に脊梁と表現されることもある[6]。分水嶺と同様とする説明もあるが[4]、両者を区別する説明もある[7]。
南アメリカ大陸のアンデス山脈や、日本列島のように、造山帯に位置する地域では、標高が高い山々が線状に並んで脊梁山脈を成す[8][9]。しかし、この用語は成因による表現ではないので、グレートブリテン島のペナイン山脈のように標高は低くても脊梁山脈とされる例もある[10]。
脊梁山脈を挟む両側の地域では、気候や植生にしばしば顕著な差異が生じる[4]。日本列島における日本海側気候と太平洋側気候の違いは、その一例であり、その影響は植生にも及んでいる[4]。
言葉としての初期の使用例として、1926年に発表された葉山嘉樹の小説『海に生くる人々』が知られている[2]。
日本の脊梁山脈・脊梁山地
北海道
本州
四国
九州
- 九州山地
- 九州中央山地(九州脊梁山地)[15](→ 九州中央山地国定公園)
世界各地の脊梁山脈・脊梁山地の例
脚注
- ^ 「脊梁山脈」『デジタル大辞泉』小学館 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。
- ^ a b 「脊梁山脈」『精選版 日本国語大辞典』小学館 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。
- ^ a b c d e f 「脊梁山脈」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。 - 執筆:有井琢磨
- ^ a b c d e f g 「脊梁山脈」『環境用語』環境イノベーション情報機構、2009年10月14日。2025年3月24日閲覧。
- ^ a b c
「用語の解説(あ行)」近畿中国森林管理局。2025年3月24日閲覧。
奥地脊梁山地(おくちせきりょうさんち) 中国山地や紀伊山地など、ある地域の背骨に相当するような山地で、分水界となるもの。
- ^ a b 「四国山地」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。
- ^ りがとみ~ぬ「脊梁山脈と分水嶺は必ずしも一致しない」ヤマレコ、2021年8月13日。2025年3月24日閲覧。
- ^ 「山脈」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。 - 執筆:式正英
- ^ a b 「山脈」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。 - 執筆:有井琢磨
- ^ a b 「ペナイン山脈」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。 - 執筆:長谷川孝治
- ^ 『平成26年度 世界自然遺産候補地詳細調査検討業務報告書』(PDF)自然環境研究センター、2015年、69頁 。2025年3月24日閲覧。
- ^ 「奥羽山脈」『改訂新版 世界大百科事典』平凡社 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。 - 執筆:中村嘉男
- ^ 「中国山地」『日本歴史地名大系』平凡社 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。
- ^ 「石鎚山脈」『デジタル大字泉』小学館 。コトバンクより2025年3月24日閲覧。
- ^ 「九州脊梁トレイルジャーニー」ECO九州ツーリスト。2025年3月24日閲覧。
- ^ 「脊梁山脈「白頭大幹」を結ぶ工事に着手」2012年2月1日。2025年3月24日閲覧。
- ^ 「ニュージーランド サザンアルプス 南島の東西を隔てる自然の壁」『今月の衛星画像』国士舘大学文学部。2025年3月24日閲覧。
脊梁山脈と同じ種類の言葉
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