肉屋ワルダーンと大臣の娘の話(第353夜 - 第355夜)
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バートン版「肉屋のワルダンが女と熊を相手に冒険をした話(第353夜‐第357夜)」 東洋文庫版「屠殺人ワルダーンと美女と熊との物語(第353夜‐第357夜)」 カイロの肉屋ワルダーンは、疲れきった顔をした美女が毎日上等な肉と羊の睾丸を買っていくのをみて、気にかかっていた。ある日、供の荷担ぎ人足がひとりでいるところをつかまえて事情を聞いてみると、乙女は毎度人足を総理大臣の屋敷につれていき、目隠しをして階段をおりた先に荷を下ろさせ、再度目隠しをして地上へもどしてから解放するのだという。 翌日、乙女の後をつけて秘密のかくし戸の中に侵入したワルダーンは、地下室の中で大猿と乙女がまぐわっているのを目撃。おどろいた肉屋は、まぐわい疲れた乙女たちが眠っているすきに、刀をふるって大猿を殺す。 乙女の話によれば、彼女は大臣の娘であり、十五のとき黒人に犯されて男を知ったが、それ以来男の体を求めるようになった。黒人が腎虚で死ぬと、館の老婆の知恵で、そのような用途には猿がよいといわれ、大猿と媾合するようになる。父の大臣がそれを知ると、地下室をつくって大猿を閉じこめたため、乙女は毎日食料を運び込んでいたのである。 肉屋は大猿のかわりを務めることになるが、徐々に体がもたなくなってくる。そこで、ある老婆に頼んで精力を消す薬を処方してもらい、乙女の陰部を燻蒸すると、膣から二匹のウナギが出てきた。一匹は黒色で、それは黒人の精がたまったものである。一匹は黄色で、それは大猿のものである。精力が落ちた乙女にワルダーンは求婚し、以後ふたりは幸せに過ごした。
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