耐荷重添加剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 07:11 UTC 版)
潤滑油の潤滑性能と耐荷重性能を向上させる添加剤。これにより磨耗や焼き付きを防止する。 油性向上剤(油性剤):低荷重下において摩擦および摩耗を減少させる長鎖の炭化水素。炭化水素鎖の片方の端に官能基が付いており、金属と結合する。すると、金属表面から外側に向けて炭化水素は露出し、油膜が形成されて摩擦面を保護する。結合のためこの油膜は剪断に対して強く、大きな剪断応力を受けても排除されない。一方、金属と結合しない基油の成分は一定以上の剪断応力を受けると摩擦面から排除される。長鎖脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール、アルキルアミンなど。通常、添加量は1~2.5%。 摩耗防止剤:摩擦熱により2次的化合物となって保護膜を形成し、摩耗を防止する。リン酸エステル、ジチオリン酸亜鉛など。通常、添加量は5~10%。 極圧剤(EP剤):極圧潤滑状態における焼付きやスカッフィングを防止する。有機硫黄、リン化合物、有機ハロゲン化合物。通常、添加量は5~10%。 固体潤滑剤 :境界・混合潤滑領域で摩擦を低減する。金属同士の直接の接触を阻止し摩耗を防止。金属面の粗さを低減して油膜の維持する。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、四フッ化エチレンポリマー(PTFE)、フッ化グラファイト、フラーレン(C60,C70)などがある。
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