翻訳の正確性の維持
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 16:10 UTC 版)
EF-Tu は、3つの方法で翻訳の正確性に寄与する。翻訳における根本的な問題は、類似した (near-cognate) アンチコドンが正しい (cognate) アンチコドンと同等の親和性を持っているため、リボソームでのアンチコドン-コドン対合だけでは翻訳の正確性の高さを維持するには不十分である、ということである。これについては、A部位の tRNA が mRNA のコドンにマッチしないときには、リボソームが EF-Tu のGTPアーゼ活性を活性化しないことで対処がなされている。これによって、不正確な tRNA がリボソームから出て行く可能性が高められている。それに加え、EF-Tu は tRNA のマッチに関係なく、aa-tRNA を解離してから aa-tRNA がA部位に完全に納まるまで (accommodation と呼ばれる過程) を遅らせる。この遅延期間は、正しくないアミノ酸がポリペプチド鎖に非可逆的に付加される前に aa-tRNA がA部位から出ていく2番目の機会となる。3番目のメカニズムはあまり解明されていない機能で、EF-Tu は aa-tRNA を大雑把に検査し、アミノ酸がそれをコードする正しい tRNA に結合していない複合体をはじいている。
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