繰り込みの確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 03:06 UTC 版)
超多時間理論(1943年)、相互作用表示(1947年)、経路積分(1948年)で相対論的な量子電磁力学を確立した、朝永振一郎、ジュリアン・シュウィンガー、リチャード・ファインマン、フリーマン・ダイソンらは、ラムシフトの理論的計算に取り組む。以前から、ベーテと同様の考えを持っていた朝永は超多時間理論を駆使し、同様にシュウィンガーやファインマンもそれぞれの理論で1948年には完全な形で繰り込みを完成させていた。彼らの計算結果は、摂動展開の全てのオーダーにおいて観測される物理量が有限(34桁の精度という驚異的な値)となる定式化であった。 超多時間論または経路積分による相対論的に共変な場の量子論の確立と、これを基にした繰り込みによる量子電磁力学のにより朝永、シュウィンガー、ファインマンの3人は1965年にノーベル物理学賞を受賞した。ファインマンによるファインマン・ダイアグラムを用いた数学的なテクニックは、朝永とシュウィンガーの演算子を用いる計算方法と異なるように見えたが、後にフリーマン・ダイソンはこの2つのアプローチが数学的に等価であることを証明した。
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