縦深攻撃の要領
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 15:21 UTC 版)
縦深攻撃の戦術的特色は、主力部隊が幅広い正面に同時攻撃を仕掛け、かつ目標とする突破距離(縦深)は100km以上にも及ぶことである。そのために、圧倒的に優位な戦力を用い、あらかじめ組んだ縦長の隊形を維持し続けることが必要とされた。 主力部隊は、敵の第一線に突破口を開く第一梯団と、突破口から波状攻撃を続ける第二梯団に分けられる。それぞれを構成する下位の部隊にもそれぞれ到達すべき目標地点が定められ、各部隊は損害を顧みず与えられた目標地点まで突破することが求められる。個々の部隊は大損害を受けても、後方からの新たな部隊が超越して次の目標地点まで進出を続けることで、連続的な波状攻撃が実施される。特色である幅広い攻撃正面においてこのような攻撃を加えることで、敵軍の対処能力を越えた密度と速度で攻撃することが狙いとなる。 また、敵軍の予備隊などによる対応を妨害するため、第一線陣地のみでなく敵の後方にまで同時に、火砲や航空機による攻撃が加えられる。 縦深攻撃の最終的な目標は、包囲による敵軍の殲滅におかれることが基本である。この点は、同じ機甲戦の理論でも、迂回による戦略目標地点の奪取や破壊を主眼とする電撃戦とは異なっている。縦深攻撃では、包囲殲滅のために、空挺部隊による退路の遮断や、予備隊の投入による追撃戦が実施される。
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