緑内障関連病名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 14:45 UTC 版)
高眼圧症 眼圧が21 mmHg以上でも緑内障性変化を認めない場合には高眼圧症と診断される。角膜厚が厚く見かけ上眼圧が高く測定される場合や、視神経乳頭の眼圧への抵抗力が強い場合には高眼圧症と診断されたまま生涯緑内障にならない。しかし高眼圧症の一部には何年かのちに緑内障性変化が現れることがあり、この場合は緑内障の前駆状態であったと考えられる。眼圧が25 mmHgを越える高眼圧症眼は緑内障になりやすいと報告されている。 視神経乳頭陥凹 緑内障性視神経障害が進行すると視神経乳頭縁の狭細化や視神経乳頭陥凹の拡大など特徴的な変化が現れる。こうした視神経乳頭の異常があるにもかかわらずに視野異常を認めないときに視神経乳頭陥凹と呼ばれる。視神経乳頭異常が視野異常に先行するために緑内障の前駆状態ともとらえられる。一般的な健康診断や人間ドックでは視野検査を行わないので、この病名で精密検査 (視野検査など) を促す。 偽緑内障 緑内障と紛らわしい視神経乳頭や視野異常を示すが緑内障ではないもの。通常は治療しなくても進行しない。視神経疾患や頭蓋内疾患、大量出血など病気で起こることもあれば、視神経低形成など先天的な場合もある。丁寧な問診や詳細な検査で区別がつくこともあるが、進行の有無を確認するために年余にわたる経過観察が必要になることも多い。視神経部分低形成 視力は正常で部分的な視野欠損を示すが視野欠損を自覚することは少ない。視神経部分低形成 (英: segmental optic disc hypoplasia )はコンタクトレンズの検診で発見されることが多く、若年者の視野欠損の鑑別診断の一つとして重要である。視野欠損の特徴としてマリオット盲点へ向かう相対暗点の少ない扇形に外方に広がる楔状視野欠損が認められる。その多くは緑内障性視野欠損の特徴とは異なることから鑑別が可能である。下方の視野欠損を呈する視神経乳頭上方低形成 (英: superior segmental optic disc hypoplasia: SSOH) は、(i) 視神経乳頭上鼻側のrimの菲薄化、(ii) double ring sign、(iii) rim菲薄部に一致する鼻上方の幅広い神経線維層欠損を3徴とする。以前は視神経低形成の頻度はあまり高くないと考えられていたが多治見スタディのデータより SSOH の頻度が以前考えられていたよりも高いことが示された。
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