絹の採取
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:46 UTC 版)
カイコは、ミツバチなどと並び、愛玩用以外の目的で飼育される世界的にも重要な昆虫であり、主目的は天然繊維の絹の採取にある。日本でも『古事記』にも記述があるほどの長い養蚕の歴史を持つ。第二次世界大戦前、絹は主要な輸出品であり、合成繊維が開発されるまで日本の近代化を支えた。農家にとって貴重な現金収入源であり、地方によっては「おカイコ様」といった半ば神聖視した呼び方が残っているほか、養蚕の神様(おしろさま)に順調な生育を祈る文化も見られた。また「一匹、二匹」ではなく「一頭、二頭」と数える。 繭は一本の糸からできている。絹を取るには、繭を丸ごと茹で、ほぐれてきた糸をより合わせる。茹でる前に羽化してしまった繭はタンパク質分解酵素の働きで絹の繊維が短く切断されているため、紡績には向かない。 繊維用以外では、繭に着色などを施して工芸品にしたり、絹の成分を化粧品に加えたりする例もある。 2017年、一般養蚕農家から遺伝子組み換えによって誕生した緑色蛍光シルクが飼育・出荷された。詳しくは「遺伝子組み換えカイコ」を参照。
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