結合曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 06:44 UTC 版)
結合曲線は、タンパク質に対するリガンドの結合挙動を説明する。曲線は、シグモイド(S字)または双曲線の形状によって特徴付けることができ、タンパク質がそれぞれ協同的または非協同的な結合挙動を示すかどうかを反映している。通常、横軸はリガンドの濃度を表し、縦軸はすべての利用可能な結合部位に結合したリガンドの分画飽和度 (fractional saturation) を表す。曲線の形状を決定する際には、通常、ミカエリス・メンテン式が使用される。ミカエリス・メンテン式は定常状態に基づいて導出され、溶液中で起こる酵素反応を説明する。しかし、酵素が基質に結合している間に反応が起こると、反応速度は異なった形になる。 血液中のヘモグロビンやミオグロビンへの酸素の結合親和性を評価する場合は、結合曲線を用いたモデリングが有用である。4つのヘム基を持つヘモグロビンは、協同的結合(英語版)を示す。すなわち、ヘモグロビン上のあるヘム基に酸素が結合することで、次のヘム基に対する酸素の結合好適性が高まるような好ましいコンフォメーション変化が誘発される。このような状況では、ヘモグロビンの結合曲線は、酸素に対する結合好適性が増加するためシグモイド型(S字)になる。ミオグロビンはヘム基を1つしか持たないため、結合曲線上で双曲線となる非協同的な結合を示す。
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