範疇定理の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 17:13 UTC 版)
主張 BCT1 は関数解析学において開写像定理、閉グラフ定理および一様有界性原理の証明に利用される。 また、BCT1 は孤立点を持たない任意の完備距離空間が非可算であることを示すのにも利用できる。実際、 X {\displaystyle X} が孤立点を持たない可算完備距離空間ならば、 X {\displaystyle X} の各一元集合 { x } {\displaystyle \{x\}} は疎集合、ゆえに X {\displaystyle X} それ自体は第一類集合になる。特にこのことから実数全体の成す集合が非可算であることがわかる。 BCT1 から次の空間がベール空間であることが示せる: 実数全体が通常の距離に関して成す空間 R {\displaystyle \mathbf {R} } 無理数の全体に距離関数を d ( x , y ) = 1 / ( n + 1 ) {\displaystyle d(x,y)=1/(n+1)} で定めた空間(これは完備距離空間になる)。ただし n {\displaystyle n} は x {\displaystyle x} と y {\displaystyle y} の連分数展開が一致しない最初の項の番号。 カントール集合 主張 BCT2 を用いれば、任意の有限次元ハウスドルフ多様体がベール空間となることがわかる。これは当該の多様体が局所コンパクトハウスドルフであることによる。このことは、多様体がパラコンパクトでない(従って距離化可能でない)場合でも成り立つ(例えば、長い直線)。
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