筋肉の退化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 09:18 UTC 版)
哺乳動物において、不活動や飢餓は骨格筋の退化に繋がる。筋肉量の減少は、タンパク質含有量の低下とともに筋肉細胞の減少や矮小化が伴う。 ヒトでは、ベッドにずっと寝ていて運動を長期間行わない状態にあったり、宇宙飛行士が宇宙に滞在したりすると筋肉の弱化や退化が発生する事が知られている。有人宇宙飛行の世界では特に問題視され、無重力空間で過ごした結果、約30%もの筋肉が減ってしまったこともある。これはヒトだけではなく、キンイロジリスやオオヒゲコウモリでも同様に起こると報告されている。 年齢とともに、骨格筋の機能や量を維持する能力がゆっくりと減少する現象があり、これは筋肉減少症と呼ばれる。原因ははっきりしていないが、骨格筋繊維の維持を助ける「衛星細胞」が徐々に減ってゆく事との関連が疑われ、さらに筋肉量や衛星細胞を維持するために必要な感度もしくは分泌される重要な成長因子の減衰が関係すると考えられる。筋肉減少症は加齢によって一般的に起こり、また実際には病状として扱われないが、高齢者が怪我をしやすくなったり生活に支障を来たしたりする可能性がある。
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