第5番 変ロ長調 作品37
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「夜想曲 (フォーレ)」の記事における「第5番 変ロ長調 作品37」の解説
1884年作曲。1885年にアメル社より出版された。初演は不詳。マリー・クリストフル夫人に献呈された。 夜想曲第4番に続いて作曲された作品で、形式面では第3番までの夜想曲に共通する点が多い。しかし、A-B-A'の形に新たにAの素材によるコーダが付されており、楽節の扱いやリズム面での自由さも増している。 ネクトゥーによると、冒頭部分の旋律の曲線美とほとんど即興的ともいえる問いかけるような曲想はリストのピアノ曲『ペトラルカのソネット第123番』の中心主題を思わせる。このほか、左右の手に加えて、あたかも第三の手が演奏しているかのように感じさせる、いわゆる「3本の手」の効果や、単音によるパッセージの導入についてもリストのピアニズムの影響が指摘されている。また、アレグロの部分で高音域に上行する音型が輝きと軽妙さを備えている点について、サン=サーンスの影響が指摘されている。とはいえ、ネクトゥーは「もっとも、サン=サーンスは複数の旋律を対位法的に扱うようなことはしておらず、逆にフォーレの場合には常に二つ以上の旋律がペアになって動いている。」と述べており、フォーレの手法はより複雑なものである。
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