第27軍_(日本軍)とは? わかりやすく解説

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第27軍 (日本軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 06:34 UTC 版)

第27軍
創設 1944年昭和19年)3月16日
廃止 1945年(昭和20年)2月1日
所属政体 大日本帝国
所属組織  大日本帝国陸軍
部隊編制単位
所在地 千島列島
通称号/略称 北部
最終上級単位 第5方面軍
最終位置 北海道択捉郡留別村
(現・ ロシアサハリン州クリル管区ブレヴェスニク
戦歴 大東亜戦争第二次世界大戦)[千島列島の戦い/対ソ戦
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大日本帝國陸軍第27軍(だいにじゅうななぐん)は、第2次世界大戦中の1944年3月から1945年1月まで、千島列島の防衛にあたったである。

編成から廃止まで

第27軍の編成が決められた1944年(昭和19年)2月は、帝國陸海軍が南方のガダルカナルで敗れ、北方でアッツ島の戦いを経て、守勢に回ってからおおよそ半年後、連合軍の反攻に備えて防衛体勢を固めていた時期である。北海道・千島では、対アメリカ、対ソ連どちらにおいても大規模な攻撃は予想されていなかったが、部隊数は充実しつつあった。

1944年2月18日の軍令甲第22号により、上級の第5方面軍司令部とともに第27軍司令部の臨時編成が命じられた[1]。第5方面軍は北部軍を改称するもので、札幌に司令部を置いて北海道・樺太・千島という広域の北方防衛任務をそのまま引き継ぐ。うち千島防衛の指揮を、現地に司令部を置く新設の第27軍に任せる計画である。3月16日に第5方面軍と第27軍の戦闘序列が定まり、軍としての活動を開始した[1]

第27軍が発足した頃、連合軍の本格反攻はマーシャル諸島でまさに始まりつつあった。その後、連合軍は年内にフィリピンに達し、1945年初めには南からの本土上陸の可能性が高まってきた。

1945年(昭和20年)1月22日発令の大陸命第1229号により、第27軍の戦闘序列は解かれ、所属部隊は第5方面軍に直属することになった[2]。第27軍は、2月1日付で廃止された。軍司令部だけは本州の宮城県仙台市(現・青葉区)にあった第2師団司令部に移していったん東部軍司令官の隷下に置き、次いで新編成の第11方面軍司令部兼東北軍管区司令部にあてられた[2]

その後、1945年8月29日にソ連赤軍が択捉島に上陸。その前の8月17日に出されていたGHQ一般命令第一号に基づき、元隷下だった師団や連隊はソ連赤軍に降伏するように指示され、多数の兵士シベリア抑留された。しかし、一部の部隊は命令を無視して抵抗し、現地で玉砕した。

軍概要

  • 通称号:北部
  • 編成時期:1944年3月16日
  • 最終位置:択捉島
  • 上級部隊:第5方面軍

歴代司令官

歴代参謀長

最終司令部構成

  • 司令官:寺倉正三中将
  • 参謀長:鈴木敬司少将
  • 高級参謀:安藤尚志大佐
  • 高級副官:調所広周中佐
  • 兵器部長:川口精一大佐
  • 経理部長:生地竹之助主計大佐
  • 軍医部長:中溝清明軍医大佐

最終所属部隊

直轄部隊

  • 独立速射砲第13中隊
  • 独立速射砲第14中隊
  • 独立速射砲第17中隊
  • 独立速射砲第31中隊
  • 独立機関銃第6大隊
  • 独立機関銃第23大隊
  • 独立臼砲第15大隊
  • 独立臼砲第16大隊
  • 独立臼砲第18大隊
  • 独立臼砲第19大隊
  • 独立野戦高射砲第23中隊
  • 野戦機関砲第62中隊
  • 野戦機関砲第66中隊
  • 野戦機関砲第67中隊
  • 陸上勤務第91中隊
  • 要塞陸上勤務第7中隊
  • 要塞建築勤務第9中隊
  • 千島第3陸軍病院

関連項目

脚注

  1. ^ a b 戦史叢書『陸軍軍戦備』、401頁。
  2. ^ a b 戦史叢書『陸軍軍戦備』、470頁。

参考文献

  • 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
  • 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
  • 防衛庁防衛研修所戦史室『陸軍軍戦備』(戦史叢書)、朝雲新聞社、1979年。



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