第十一の警察隊長の語った物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「第十一の警察隊長の語った物語」の解説
第十一の警察隊長サラー・アル・ディーンは次のように語った。 昔、ある帝王(スルタン)の妻が王子を産んだ時に、王宮の厩の牝馬が仔馬を産んだので、帝王はその馬を王子の物とした。何年かして、王子の母親が亡くなり、帝王は後妻を娶ったが、その後妻にはユダヤ人医師の情夫がいた。後妻は王子を疎ましく思い、食事に毒を入れるが、王子の馬が言葉をしゃべり、王子に毒のことを教えたので、王子は難を逃れた。後妻は今度は馬を殺そうと、病気のふりをし、ユダヤ人医師が王様に「後妻の病気を治すには王子の馬の心臓から作る薬が必要」と申し上げたが、王子は馬に乗って逃げて行った。 王子はある国の水車小屋で働くが、その国の末の王女の目に留まった。その国の7人の王女たちは、婿選びをすることになり、国中の若い男たちが宮殿の窓の下を通り、王女たちは夫を選んで行き、末の娘は水車小屋で働く王子を選んだ。しかし、その国の王は、末の王女の相手のみすぼらしさに落胆し、病気になってしまった。御典医は「処女の熊の皮の袋に入れた熊の乳を飲めば治る」と言い、王女の夫たちは探すが、見つけることができず、ただ末の王女の相手である王子だけが馬の助けを借りて見つけ、王の病気は治り、王は王子を見直した。その後、王子は王の軍を借り、自分の国に帰ると、父王は既に亡く、後妻とユダヤ人医師の治世となっていたが、これを攻め滅ぼし、国を回復し、みな幸せに暮らした。
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