第二次ヨーク調査(1935年)
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「シーボーム・ラウントリー」の記事における「第二次ヨーク調査(1935年)」の解説
ラウントリーは、1936年に、ヨークにおける貧困について、さらに調査を行ない、この結果の報告に『Poverty and Progress』(貧困と進歩)という表題をつけた。この調査は、先に行われた最初の調査とほぼ同じ手法に基づいて実施され、ヨークの労働者階級の中に見出される絶対的貧困世帯が、前回調査から半減していたことが明らかにされた。しかし、ラウントリーは、この調査における貧困線の定義を前回のものとは変えており、それによって絶対的貧困の基準も変わっているので、直接の比較にはなっていない。この調査において、厳密に言えば生存に必要とまでは言えないものであっても、必要と認められる費用の例として、新聞、本、ラジオ、ビール、タバコ、休日の支出、贈答品が組み込まれた。彼が導き出した結果は、貧困の原因が数十年の間に大きく変わったということであった。1890年代には、一次貧困の大きな理由は低賃金であり、52% に達していたが、1930年代には失業が 44.53% を占め、低賃金はわずか 10% になっていた。 前回よりも認められる必要な物資の範囲を広げたにもかかわらず、貧困状態にある住民の比率は、1936年には 18%、さらに1950年には 1.5% と減少していった。貧困者の比率が低くなったことも踏まえ、ラウントリーは残された貧困者への支援に乗り出し、仕事を得たことで、さらに多くの人々が貧困を脱することができた。
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