第二の仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:30 UTC 版)
「ティテュオスの罰 (ミケランジェロ)」の記事における「第二の仮説」の解説
もうひとつの解釈として、この作品群はカヴァリエーリに絵を教えるために描かれたものであるというものがある。これはジョルジョ・ヴァザーリが、カヴァリエーリは「絵を学ぶために」これらの作品を与えられたと述べていることに基づいている。また、ティテュオスの絵の裏面には、ティティオスが復活したキリストの姿に描き直されている。もともと裏面のトレースはミケランジェロが行ったと考えられていたが、現在ではカヴァリエーリがデッサンの練習としてキリストの絵を完成させたのだと考える学者もいる。カヴァリエーリの筆跡は、ミケランジェロから贈られた「パエトンの墜落」の模写などのカヴァリエリのデッサンがいくつか発見されたことで特定することが容易になっている。 もう一つこれらの絵画が教材であることを示すものとして、カヴァリエーリに渡された4枚のプレゼンテーション用の絵(『ティテュオス』『ガニュメデス』『パエトンの墜落』『イル・ソグナトレ(Il sognatore)』)は、いずれも主人公の人物が異なる方向を向いていることが挙げられる。例えば、『ティテュオス』の人物は頭を下にして左を向いているが、『イル・ソグナトレ』のは頭を上にして右を向いており、『ガニュメデス』のは真上に、『パエトンの墜落』のは逆さまになっている。この4枚の絵は、四方八方に身体を向けており、カヴァリエーリに男性裸体像の基本的な体位の描き方を示したと考えられる。
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