笠間の地名について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 08:42 UTC 版)
常陸国風土記の新治郡の条に、郡から東50里に笠間村があり、越え通う山を葦穂山といい、そこにはかつて油置姫命という山賊がいたという記述がある。これは笠間村ではなく、葦穂山(足尾山)の記事である。 笠間村に関する記述はなく、当時の様子は詳らかでない。神社ウェブサイトの由緒は、その頃には宇迦之御魂神への信仰が根付いていたのではないかとする考察を付している。 古地名としての笠間は、常陸国新治郡の他に、大和国宇陀郡、伊勢国員弁郡、加賀国石川郡、越前国坂井郡等にも郷名として存在する。比較地名を主題とした「郷名同唱考」は、笠間の名義は不詳としつつも、大宮咩命(おおみやのめのみこと。大宮売神)に由縁のある地名ではないかとする考察を付している。大宮咩命は、伏見稲荷大社三座の一(大宮能売大神)でもあることから、稲荷神として祀られていることが多い。ただし、笠間稲荷神社の祭神ではない。 加賀国、石川県白山市笠間町に鎮座する笠間神社は、大宮売神を主神としている。 越前国、福井県坂井市丸岡町篠岡に鎮座する笠間神社(式内論社)は、主神は天照皇大神であるが、郷名同唱考は大宮咩命を祀るという伝承を記している。 大日本史料「執政所抄」に「宮咩奠祭文」があり、「宮咩」又は「宮咩奠(てん)」と称する祭祀における祭神は、高御魂、大宮津彦、大宮津姫、大御膳津彦、大御膳津姫の皇大神五柱と笠間の大刀自(おおとじ。天皇に仕える女官の意)の六柱であると記されている。拾芥抄の宮祭文にも「宮咩五柱笠間」とある。
※この「笠間の地名について」の解説は、「笠間稲荷神社」の解説の一部です。
「笠間の地名について」を含む「笠間稲荷神社」の記事については、「笠間稲荷神社」の概要を参照ください。
- 笠間の地名についてのページへのリンク