稲葉江
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稲葉江(いなばごう)は、南北朝時代に作られたとされる日本刀(打刀)である。日本の国宝に指定されており、山口県岩国市にある公益財団法人柏原美術館が所蔵している。稲葉郷とも呼ばれる。
注釈
- ^ 官報告示の指定名称は半改行を含み「刀金象嵌銘天正十三十二月日江本阿彌磨上之花押
所持稲葉勘右衛門尉(名物稲葉江)」と表記される(原文は縦書き)
用語解説
- ^ 「鍛え」は、別名で地鉄や地肌とも呼ばれており、刃の濃いグレーや薄いグレーが折り重なって見えてる文様のことである[15]。これらの文様は原料の鉄を折り返しては延ばすのを繰り返す鍛錬を経て、鍛着した面が線となって刀身表面に現れるものであり、1つの刀に様々な文様(肌)が現れる中で、最も強く出ている文様を指している[15]。
- ^ 「刃文」は、赤く焼けた刀身を水で焼き入れを行った際に、急冷することであられる刃部分の白い模様である[16]。焼き入れ時に焼付土を刀身につけるが、地鉄部分と刃部分の焼付土の厚みが異なるので急冷時に温度差が生じることで鉄の組織が変化して発生する[16]。この焼付土の付け方によって刃文が変化するため、流派や刀工の特徴がよく表れる[16]。
出典
- ^ a b 本間順治; 佐藤貫一『日本刀大鑑 古刀篇3【図版】』大塚巧藝社、1966年、82頁。 NCID BA38019082。
- ^ a b c 江義弘/郷義弘(ごうよしひろ) - 刀剣ワールド 2020年6月29日 閲覧
- ^ a b 小和田 2015, p. 240.
- ^ a b c d e 福永 1993, p. 103.
- ^ a b c d e 小和田 2015, p. 241.
- ^ 刀剣春秋編集部 2016, p. 75.
- ^ 昭和8年10月31日文󠄃部省告示第312号(参照:国立国会図書館デジタルコレクション、5コマ目)
- ^ 昭和11年9月18日文󠄃部省告示第327号(参照:国立国会図書館デジタルコレクション、4コマ目)
- ^ 昭和22年4月17日文󠄃部省告示第54号(参照:国立国会図書館デジタルコレクション、16コマ目)
- ^ a b c d e f 刀〈金象嵌銘天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物稲葉江)〉 - 山口県 2020年7月25日閲覧
- ^ a b c 文化庁 2000, p. 92.
- ^ どこに消えた?国宝・重文、新たに72件 文化庁第2調査、所在不明は計180件に - 産経ニュース 2020年7月25日閲覧
- ^ 国宝や重文172件、なお所在不明 文化庁が継続調査 - 朝日新聞 2020年7月25日閲覧
- ^ 国宝の刀剣、岩国美術館に 家康ゆかりの「名物稲葉江」- 中国新聞アルファ 2020年7月25日閲覧
- ^ a b 刀剣春秋編集部 2016, p. 174.
- ^ a b c 刀剣春秋編集部 2016, p. 176.
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