種類と規模
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 05:39 UTC 版)
一口に芝居茶屋といっても、そこにはピンからキリまでさまざまな種類のものがあった。江戸の芝居町ではこれを、規模や格式などをもとに、以下のように分類していた: 大茶屋(おおぢゃや) 芝居小屋内の一角、または隣接地・向い合わせに位置し、座敷や調度品を備えて、諸侯や富裕層を歓待した。今日の料亭に近い、高級食事処である。 小茶屋(こぢゃや) 芝居小屋にほど近い地に位置し、簡単な店構えで庶民を迎え入れた。今日の小料理屋から定食屋に近い、中級料理屋から一般向け食事処である。 出方(でかた) 小茶屋のなかには、接客用の店構えのない仕出し専門のものもあり、こうした茶屋では出方とよばれる接客業者を専属で抱えていた。出方は訪れた観客を座席まで案内したり、仕出し茶屋でこしらえた小料理・弁当・酒の肴などを座席に運んだりした。 明和年間 (1764–71) の記録によると、堺町・葺屋町の芝居町では、中村座が大茶屋16軒と小茶屋15軒を従え、市村座が大茶屋10軒と小茶屋15軒を従え、一方木挽町の芝居町では、森田座が大茶屋7軒を従えて、それぞれ盛況だったという。
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