秋月沈没の謎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 14:37 UTC 版)
アメリカ軍は潜水艦ハリバットが秋月を撃沈したと主張している。このため、一部文献では「秋月」沈没をハリバットの雷撃とする。空母瑞鳳に命中するはずだった魚雷の盾になって秋月は爆沈したという美談もある。瑞鳳掩護説は吉田俊雄(作家、海軍少佐)が瑞鳳乗組員の目撃談として紹介している。 秋月の緒方艦長は「敵機を見ていない。後ろから2機が来ていたというが、機銃掃射だけで爆弾は落としていない」と証言した。一方で、秋月の艦尾をかすめた魚雷も複数生存者に目撃されており、河原崎(水雷長)は「潜水艦からの発射」と推定している。神前(砲術科)は、雷撃機が魚雷を投下した直後、この機は撃墜され、魚雷も外れたと証言している。またハリバットの記録によると、秋月沈没時刻には魚雷を発射していない。河原崎は他生存者の目撃談を集める必要があると述べているが、おおむね秋月がアメリカ軍機から投下された爆弾命中と自艦魚雷誘爆により沈没したことに差異はなく、秋月生存者や遺族会「秋月会」では沈没要因を「爆弾命中」と決定している。これに対し緒方は酸素魚雷の誘爆を沈没要因としつつも、「敵機の爆弾・敵潜水艦の魚雷のいずれも命中はしておらず、輪形陣の反対側で対空射撃をしていた味方艦の砲弾弾片が、多数艦(秋月)に降り注いでいた」と証言。その中に防御の薄い次発装填装置内の予備魚雷に命中したものがあって酸素魚雷が爆発したのではないかと推測している。
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