祖父の崩御、伯父の退位と父の即位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 23:06 UTC 版)
「エリザベス2世」の記事における「祖父の崩御、伯父の退位と父の即位」の解説
1936年1月20日にサンドリンガム・ハウスにおいて、祖父ジョージ5世が崩御した。エドワード王子が『エドワード8世』として即位する。 エリザベス王女も、妹マーガレット王女と共に正装安置されたジョージ5世の亡骸を見、その際、棺の傍らにいた父やおじ達の中でも、伯父エドワード8世の姿が印象に残ったことをクロフィに話した。 しかしエドワード8世は、イギリスと対立しつつあった枢軸国、とりわけナチス・ドイツに親近感があるような態度をとり、離婚経験を有するアメリカ人女性のウォリス・シンプソンとの結婚をほのめかした。エドワードとウォリスの関係は広く知られるものではなかったが、即位以来、エドワードはウォリスを伴ってヨーク公の元を訪問するようになった。母エリザベスは、クロフィに王女たちを二人から遠ざけるよう指示した。 12月1日に、紳士協定が切れ、マスコミが一斉に国王とウォリスの関係を報じて世論が騒然となる中、スタンリー・ボールドウィン首相らが彼に退位を迫り、同月11日に退位する(この一件は「王冠を賭けた恋」として知られる)。これにより、エリザベスの父である王位継承順位第1位のヨーク公アルバート王子がジョージ6世としてイギリス新国王に即位した。 クロフィから事情を聞いたエリザベス王女は泣き崩れ、伯父の無責任な決断と行動によって10歳で推定相続人となった。1701年王位継承法により男子優先長子相続制であったこの時点で、もしもエリザベス王女に弟が存在していたならば、その弟が王太子即ち次期国王となるため、彼女は推定相続人として女王に即位することを逃していた。なお、即位時点でジョージ6世は40歳、エリザベス王妃は36歳であった。 なお、君主の長女に与えられるプリンセス・ロイヤルの称号は、保有者である叔母のヘアウッド伯爵夫人メアリー王女が存命だったため、授けられなかった。
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