社会人の独立自尊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 21:09 UTC 版)
第十三条 一家より数家、次第に相集りて、社会の組織を成す。健全なる社会の基(もとい)は、一人一家の独立自尊に在りと知る可し。 第十四条 社会共存の道は、人々(にんにん)自(みず)から権利を護り幸福を求むると同時に、他人の権利幸福を尊重して、苟(いやしく)も之を犯すことなく、以て自他の独立自尊を傷(きずつ)けざるに在り。 第十五条 怨(うらみ)を構へ仇(あだ)を報ずるは、野蛮の陋習にして卑劣の行為なり。恥辱を雪(そそ)ぎ名誉を全うするには、須(すべか)らく公明の手段を択(えら)むべし。 第十六条 人は自(みず)から従事する所の業務に忠実ならざる可らず。其大小軽重に論なく、苟(いやしく)も責任を怠るものは、独立自尊の人に非ざるなり。 第十七条 人に交(まじわ)るには信を以てす可し。己(おの)れ人を信じて人も亦己れを信ず。人々(にんにん)相信じて始めて自他の独立自尊を実(じつ)にするを得べし。 第十八条 礼儀作法は、敬愛の意を表する人間交際上の要具なれば、苟(かりそ)めにも之を忽(ゆるがせ)にす可らず。只(ただ)その過不及(かふきゆう)なきを要するのみ。 第十九条 己れを愛するの情を拡(おしひろ)めて他人に及ぼし、其疾苦を軽減し其福利を増進するに勉むるは、博愛の行為にして、人間の美徳なり。 第二十条 博愛の情は、同類の人間に対するに止まる可らず。禽獣を虐待し又は無益の殺生(せつしよう)を為(な)すが如き、人の戒む可き所なり。 第二十一条 文芸の嗜(たしなみ)は、人の品性を高くし精神を娯(たのし)ましめ、之を大にすれば、社会の平和を助け人生の幸福を増すものなれば、亦是(こ)れ人間要務の一なりと知る可し。
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