砂糖水試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 07:39 UTC 版)
発作性夜間ヘモグロビン尿症を発症しているかどうかを調べる検査手法の1つとして、砂糖水試験あるいはショ糖溶血試験(英語、sugar water test)という手法が存在する。 具体的には、血液と等張なスクロース水溶液を作成し、そこに被験者の赤血球を加えてから室温で1 時間放置した時に、どれだけ溶血したかを調べる。スクロース水溶液のような事実上イオンを含まない溶液中に赤血球を放り込むと、血中に含まれている補体が赤血球の表面に結合しやすくなる。このため膜侵襲複合体も形成しやすくなり、赤血球の細胞膜に穴が作られて、溶血が起こりやすくなる。 もしも、溶血した赤血球が10 %以上だった場合は、砂糖水試験陽性とされ、発作性夜間ヘモグロビン尿症の疑いと判断される。逆に、溶血した赤血球が5 %以下ならば、砂糖水試験陰性とされる。 このように、比較的簡便で費用も安い試験法ながら、必ずしも発作性夜間ヘモグロビン尿症だけを原因として、砂糖水試験が陽性になるとは限らない。例えば、様々な理由で溶血しやすくなっている者の赤血球でも、砂糖水試験が陽性となる場合もあるという問題が知られている。
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