真空の実現方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:44 UTC 版)
詳細は「真空ポンプ」を参照 大気中にある容器内を真空にするために各種の真空ポンプを使用する。 10−1 Pa程度の真空は、ロータリーポンプで手軽に得ることができる。真空デシケーター等ではこの程度の真空で十分である。 スパッタ等の真空成膜装置ではプラズマ発生時に他の気体が残留するのを防ぐため、10−5 Pa程度の真空度が求められる。このような場合、真空用材料で製作された真空チャンバーと銅ガスケットを用い、ターボ分子ポンプ(TMP)で排気することにより達成できる。 MBEや電子顕微鏡、粒子加速器等、10−9 Pa台の真空が求められる場合は、達成に更に多くの工程が必要となる。真空チャンバーをターボ分子ポンプ (TMP) で高真空状態にした後、真空チャンバー全体を加熱(ベーキング)して、チャンバ内壁に付着した気体分子を排除する必要がある。排気は大排気量のターボ分子ポンプ (TMP) のみでも可能であるが、多くの場合はイオンポンプやゲッターポンプが用いられる。MBE用の真空チャンバーでは、チャンバー内で蒸着を行うため、チャンバーの壁面に液体窒素シュラウドを設け、壁面を冷却することで内部に残留した気体分子を固着させ、真空度を上げる手法も用いられている。容積 V を排気速度 S のポンプで排気したときの圧力 p = p0exp(−St/V) となる。ただし t = 0 で p = p0 とする。また、コンダクタンス C1 のパイプの長さを m 倍にすると、コンダクタンスは C1/m になる。
※この「真空の実現方法」の解説は、「真空」の解説の一部です。
「真空の実現方法」を含む「真空」の記事については、「真空」の概要を参照ください。
- 真空の実現方法のページへのリンク