真下の役職と実際の警察制度の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 09:55 UTC 版)
「真下正義」の記事における「真下の役職と実際の警察制度の違い」の解説
TVシリーズの際、入庁2年目だった真下はまだ警部補であった。しかし、キャリア組の警察官僚は入庁2年目には自動的に警部に昇任し、警察庁本庁に配属される(しかしこの点は、研修配置であったとして、のちに設定変更が行われた)。またキャリア組の所轄署での研修配置は入庁1年目のみである。 TVシリーズでの真下はひたすら昇任試験のための勉強をしているが、現実のキャリア組は昇任試験がない(これについては、脚本を手がけた君塚良一が、承知の上で設定を行った。君塚曰く「あたかもリアリティ」)。 『THE MOVIE2』では「警視庁初(=日本初)の交渉人」とされているが、実際には交渉人がいないわけではない。警視庁刑事部では1964年に捜査第一課に人質事件担当の特殊犯捜査係が創設されたが、創設当初から特殊犯捜査係の主任(警部補)は事実上の交渉人として被疑者の説得(交渉)を担当していた。 『交渉人 真下正義』では、警視庁刑事部に交渉人だけで構成された交渉課なる課が新設されているが、実際にはこのような課が創設されることはありえない。交渉人とは、原則として誘拐事件・人質立てこもり事件に専従するので、刑事部捜査第一課の特殊犯捜査係に所属するものである。各国の捜査機関でも、交渉人は誘拐事件・人質立てこもり事件担当の捜査部隊に所属している。ただしFBIの中には各捜査機関に属する交渉人たちを指導する(事件に際して実際に各捜査機関へ派遣され捜査をサポートする場合もある)部署として、特に熟練した交渉人たちで構成されるCrisis Negotiation Unit(通称CNU)が、Tactical Operations Section内にHRTやSWATと併設される形で存在する。 そもそも、真下のようなキャリア組が、交渉人など特殊性・専門性の高い事件捜査のプロとしての経験を積むことはない。キャリア組は警察行政をつかさどる官僚としての能力が求められるので、原則として個別の事件捜査に深く関わるということはない。そのため、キャリア組は警視庁・道府県警察本部では部長・課長といった総指揮官的なポストしか経験しない。
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