県の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 03:51 UTC 版)
一般に領域国家は、領土を地方に分割して経済的軍事的な効率を得る必要がある。しかし軍事面では、大きすぎる分割は叛乱などの温床ともなり得るので、中央政府の支配力を越えない範囲に限定しようとする。最も簡単な区分は国と県の二階層である。軍事的な要素を重視した場合は、5人または5世帯まで幾層にも細分化される。封建国家では、与えられた領地を分割することで行政区画が深化した。 歴史的には、古代の中央集権国家において、中央政府から派遣される地方官の事務所として、県を設置した。管轄する範囲は互いに排他的であったと考えられる。 古代の中央集権国家が破綻すると、地方の小領域が国家として割拠する時代が到来したが、各々の小国家内で県を設置することがあった。 近代社会の成立過程で、再び中央集権化されると小国家内の県を対等な基礎的行政区画とし、小国家をそのままか統合分割などで新たに県として設置することがあった。 植民地の独立後や東西冷戦の解消後、中央集権体制だった国家は、規模の原理よりも市場の原理により地方分権の機運が高まった。これらの国家では補完性の原理により県を包括する大領域の行政区画を設置したり、県の役割を基礎的行政区画の補完をする広域連合として位置付けることも行われている。
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