相互乗り入れの場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 05:26 UTC 版)
両者の車両が互いに直通相手方の路線に乗り入れる場合、互いに相手方に対する車両使用料が発生する。これは、相互直通運転の場合は事業者甲の車両が事業者乙の路線で運転される場合もあり、その場合は事業者乙から事業者甲への車両使用料が発生するからである。しかし実際には、車両運用の調整により互いに他社区間の走行距離を同等とすることで相殺するのが慣例となっている。 例えば、事業者甲の路線における事業者乙の車両の運用距離のほうが、事業者乙の路線における事業者甲の車両の運用距離よりも長くなりそうな場合には、直通運転に使用する編成を事業者甲の車両中心としたり、事業者甲の車両を事業者乙の線内列車に充当したりして、運用距離を調整する。ただし、3事業者間以上にわたる直通運転の場合は、例えば事業者甲に対する事業者乙への使用料を、事業者丙の車両を事業者甲の車両扱いとして乗り入れるか、あるいは事業者丙の運用を増やして事業者丙が代わりに支払う方法もある(この場合は事業者丙の路線へ事業者乙の車両をその分多く乗り入れさせて事業者乙と事業者丙との間でも相殺することがある)。 電力等の消費量に著しい差が発生する場合には、その分も加味されて費用が計算される場合がある。日本国有鉄道(国鉄、現・東日本旅客鉄道)常磐緩行線の103系1000番台が乗り入れ先の帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現・東京地下鉄)千代田線内で、営団車両(6000系)と比較して電力消費量が多いため、営団は電気代を車両使用料に上乗せして国鉄に請求していた事例がある。 このように相互直通運転において発生するのは一般には車両使用料であり、線路使用料ではない。
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