盆地内の区分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 23:43 UTC 版)
四川盆地は西の「盆西平原」(川西平原)、中部の「盆中丘陵」(川中丘陵)、東部の「川東平行嶺谷」の三つに分かれる。 龍門山脈山麓の盆地西縁から盆地中央西寄りの龍泉山脈までは盆西平原であり、中心都市の成都市の名をとり成都平原と呼ばれる。岷江や沱江など北西の山脈群からの河川が扇状地や沖積平野を形成しており、高低差は50mを超えず平坦で、土壌は肥沃である。 盆地西部を縦断する龍泉山脈から盆地東部を縦断する華鎣(かえい)山脈までの幅広い範囲は盆中丘陵であり、北から南にかけて低くなる地形の中に50mから150mの高低差の丘陵や台地が広がる。沱江や涪江などはこの丘陵地帯を貫いて流れ、長年の水による浸食で細かい谷が無数にできている。この周辺も土壌は豊かで丘の斜面にまで農地が広がる。 華鎣山脈より盆地の東南端までは川東平行嶺谷であり、重慶市の北に、北東方向から南西方向へ数十本の褶曲山脈が並行して走り、その谷間には平地が並行して走るためこう呼ばれる。山脈はそれぞれ幅が狭く石灰岩の山頂が削られ大きな窪地を形成しており、標高は700mから1,000mの間で、盆地内で最も高い華鎣山で1,704mに達する。それぞれの山脈の間の谷は標高300mから500mで渠江など嘉陵江水系の川が南西に走り、農地が広がるほか水力発電や付近に埋蔵される天然ガスや鉱物などの資源をもとにした鉱工業が盛んである。 四川盆地は米などの穀物が栽培される大穀倉地帯であり、特に盆地の西部にあたる成都平原は土壌が肥沃で水量も豊かと米作りに適している。蜀相諸葛亮は「沃野千里、天府之土」と評した。現在も四川は「天府之国」と称賛される。農業のほか、地下資源が豊富なことから鉱工業も盛んで、特に天然ガスの中国における主要生産地になっている。
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