百衲本二十四史
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『百衲本二十四史』は、1930年~1937年に商務印書館から出版された二十四史の刊本(影印本、全820冊)。張元済(1867年 - 1959年)が出版を主宰した(四部叢刊も参照)。出版には約8年がかけられた。 百衲本の出版まで、二十四史の刊本としては乾隆帝の欽定になる『武英殿本二十四史』(殿本)が最も流布していた。しかし殿本には校勘・校刻の不備が指摘されており、張元済によって編纂事業が興されることとなった(四部叢刊も参照)。張元済は貴重な版本を博捜して、二十四史の版本の善本(できるだけ古く信用のおける版本)を選び、専門家による校勘を行った。 『百衲本二十四史』に集められたのは、宋代の善本15種、元代の善本6種、明・清に初刻された3種の版本である。二十四史に含まれるそれぞれの史書の版には、基本的に単一の版本を使用している。たとえば『隋書』は元大徳九路刻本を、『新唐書』は日本の静嘉堂文庫が所蔵する北宋嘉祐刻本を底本としている。ただし、原本の欠けた部分をほかの版本で補ったものもあり、たとえば『金史』は北京図書館所蔵の元至正原刊本(80巻が現存)を影印し、欠けた55巻は涵芬楼(中国語版)蔵の元代の覆刻本(初覆本と再覆本)で補っている。 魯迅博物館(北京)所蔵(魯迅旧蔵) 季羨林旧蔵 第二次世界大戦後、大陸において魯迅旧蔵の『百衲本二十四史』の影印本が刊行されているほか、台湾商務印書館から補校を加えた『百衲本二十四史(新版)』(王雲五主編)が出版されている。
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