病態・病理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 19:55 UTC 版)
ヒトが心肺停止に陥ると、血流は途絶え、各臓器への酸素の供給も滞る。このこと自体も、特に心肺停止の継続時間が長いほど、脳に打撃を与える。さらに、心肺蘇生が行われて、再び血行が再開した後に、この蘇生後脳症という事態が起きる。蘇生後脳症の急性期においては、心拍再開後すぐに脳の血流が過剰に増加するといったことが起こり、脳全体に浮腫が見られる。その後、脳の血行は再び一時的に悪化することもある。さらに、心肺停止だったことに伴って、当然ながら脳以外の臓器も低酸素状態に陥っていて生体の恒常性が保てない状態だったことが、脳に悪影響を与えることもある。これらのために、脳にある神経細胞やグリア細胞が虚血性の変化を起こして細胞死したり、反応性グリオーシスなどが起こったりすることがある。これらを通して脳において細胞死が多かった場合は、急性期を乗り切ったとしても、その後に脳全体が萎縮してくることもある。大規模な脳の萎縮が起こると、脳室が大きくなり、シルビウス裂が広くなるといった、脳の形態変化が画像診断などによって見て取れるようになる。
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